音無しの雷現象「雲放電」:光るだけで何が違う?

雲内放電 サイエンス

夏が近づくと、不安定な天候が増え、時には雷を伴う荒天に遭遇することもあります。

雷はしばしば強い音を伴いますが、中には音を伴わないタイプも存在します。

この音無しの雷を「雲放電」と呼び、光る現象はあっても音は聞こえません。

この記事では、雲放電の特性や、通常の落雷とどう異なるか、またその危険性について詳しく解説します。

静かな光の雷「雲放電」:静かでも危険は潜んでいる?

光るが鳴らない雷、その名も「雲放電」。

一般的な雷「落雷」とは異なり、「雲放電」は雲内で発生するため地上には到達せず、音はほとんど聞こえません。

通常の雷は、雲内で氷の粒が擦れ合い静電気が生じ、地上に到達する際に大きな音を発します。

雲放電は、この電流が弱いため音は小さく、または全く聞こえないことが一般的です。

では、雲放電は安全なのでしょうか? 光る雷でも、落雷の危険が全くないわけではありません。

実際、雲放電が観測される場所は、落雷が起こり得る場所からそう遠くない可能性があります。

したがって、雷の音が聞こえなくても、安全な行動をとることが重要です。

音を伴わない雷:光の到達距離は40~50km、音の響く距離は15~20km

雷が光ってから音がするまでの時間差は、光と音の速さの違いによるものです。

一般的に、雷の音は約15~20km先まで聞こえることがあります。この音が聞こえるということは、近くで落雷があった可能性が高いです。

一方、光のみを伴う音無しの雷は、約40~50km離れた場所で観測されることがあります。これほどの距離があれば安全と感じるかもしれませんが、上空から見れば、雷が落ちる場所と現在地はそれほど差がないこともあります。特に、落雷しやすい条件が整っている場合は注意が必要です。

地上から見ると40~50kmは遠く感じるかもしれませんが、雷の影響範囲内にある可能性があります。音無しの雷でも安全だとは限らないため、注意が必要です。

また、雷が近くに落ちると、家庭の電子機器が故障するリスクもあります。雷鳴を聞いた際は、速やかに電子機器のコンセントを抜く、ブレーカーを落とすなどの対策を推奨します。サージガード付きの電源タップの使用も効果的です。

雷は高所に落ちやすいため、高い建物や山頂、木などは特に危険です。雷を感じたら、すぐに建物内や車内への避難を心がけましょう。

まとめ

この記事では、雷のうち音を伴わないタイプである「雲放電」に焦点を当てました。

私自身、子供の頃は雷の音に恐れを感じ、外が明るくなるたびに耳を塞いで身を隠していました。ときには、予想に反して音がしないことに驚いたものです。最近も夜中、雷の光に起こされたものの、音がなく、そのまま眠りについた経験があります。

雲放電は、電流が地上に届かず発生するもので、比較的弱いため実際には音が発生していても聞こえにくいです。

雷が大きな音を伴う場合は、通常15~20km以内で落雷が発生しており、それに対して音無しの光る雷は40~50kmの範囲で観測されます。

音がないからといって安全とは限らず、適切な条件下ではいつでも落雷が起こり得ます。

天気が急変して空が光り始めたり、雷が鳴り始めたりすることも珍しくないため、雷が発生している際は高い場所を避け、迅速に室内や車内への避難を心掛けるべきです。

適切な知識を持つことで、雷が発生した際に落雷か雲放電かを見分け、自身を守る手助けになります。

 

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