「パスワードを入力してください」という案内を見たとき、
ふと 略すなら「PW」と「PASS」、どちらが正しいのだろう? と迷ったことはありませんか。
社内資料や設定メモ、ちょっとした説明文などでは、
つい省略した表記を使いがちですが、
「PWは英語として通じるのか」「PASSと書くのは間違いなのか」など、
細かい部分が気になってしまう人も少なくありません。
実は、パスワードの略し方に絶対的な正解がひとつあるわけではありません。
ただし、使われ方の傾向や、場面によって「無難な選び方」はあります。
この記事では、
PWとPASSそれぞれの意味や由来、よく使われる場面の違いを整理しながら、
「どちらを使えば迷いにくいか」「略さないほうがいいケース」まで、
できるだけわかりやすく解説していきます。
パスワードの略語とは?よく使われる表記を整理
パスワードは、日常的にもビジネスシーンでもよく使われる言葉ですが、
文章や画面表示では 省略された形 で表記されることも少なくありません。
よく見かけるのは、主に次の3つです。
-
PW
-
PASS
-
password(省略しない表記)
それぞれ意味自体は同じ「パスワード」を指していますが、
使われる場面やニュアンスには、少しずつ違いがあります。
まず PW は、「password」を短くした略語として、
ログイン画面や設定項目、社内システムなどでよく使われます。
特に文字数を減らしたい場面や、意味が共有されている環境では、
PWだけでも通じやすい傾向があります。
一方の PASS は、日本語の「パスワード」をそのまま省略した形です。
英語というよりは、日本語表現として定着しており、
メモ書きや口頭説明、非公式な文章などで見かけることが多い表記です。
そして password は、省略しない正式な書き方です。
誰が見ても意味が伝わりやすいため、
初めて説明する場面や、誤解を避けたい文章では安心感があります。
このように、パスワードの略語には複数の選択肢があり、
「どれかが間違い」というよりも、
場面によって使い分けられている というのが実情に近いと言えるでしょう。
次の章では、PWとPASSそれぞれの意味や由来をもう少し詳しく見ていきます。
PWとPASSの違い|それぞれの意味と由来
「PW」と「PASS」は、どちらもパスワードを指す表記として使われていますが、
成り立ちや使われ方には少し違いがあります。
ここでは、それぞれが どこから来た言葉なのか を整理してみましょう。
PWはどこから来た略語?
PW は、英語の password を省略した形として使われている表記です。
頭文字だけを見ると少し分かりにくく感じるかもしれませんが、
「password → pw」という省略は、IT分野やシステム関連では比較的よく見られます。
特に、
-
ログイン画面
-
設定項目名
-
社内ツールや管理画面
など、意味があらかじめ共有されている環境では、
PWと書くだけでも問題なく通じるケースが多いようです。
英語として会話で使われる略語というよりは、
画面表示や項目名向けの省略表現と考えるとイメージしやすいでしょう。
PASSはなぜパスワードの意味で使われる?
一方の PASS は、日本語の「パスワード」を短くした表記です。
英語の pass(通る・合格する)とは本来意味が異なりますが、
日本語環境では「パスワード=PASS」と省略されることが定着しています。
そのため、
-
メモ書き
-
口頭での説明
-
個人用の管理メモ
といった、非公式でカジュアルな場面では、
PASSと書かれていても違和感を持たれにくい傾向があります。
ただし、英語本来の意味とは異なる使い方になるため、
英語圏の人や、正式な文書では注意が必要な表記でもあります。
意味は同じでも「成り立ち」が違う
まとめると、PWとPASSの違いは次のように整理できます。
-
PW:英語 password を省略した表記(システム・項目名向き)
-
PASS:日本語「パスワード」を短くした表記(口語・メモ向き)
どちらも「間違い」と言い切れるものではありませんが、
使われる背景や想定される場面が異なる という点を知っておくと、
迷いにくくなります。
次の章では、こうした違いを踏まえて、
実際にどちらを使うのが無難なのかを場面別に整理していきます。
どっちを使うのが正しい?場面別の使い分け
PWとPASSの違いがわかってくると、
次に気になるのは 「結局、どっちを使えばいいのか」 という点ではないでしょうか。
結論から言うと、
パスワードの略語には場面によって無難な選び方がある、という考え方が近いです。
ここでは、よくあるシーンごとに整理してみます。
ビジネス・社内資料で使う場合
社内資料や業務用の説明文では、
PW が使われることが比較的多い傾向があります。
理由としては、
-
システム画面の表記と揃えやすい
-
事務的で説明的な印象を与えにくい
-
意味が共有されている前提の場面が多い
といった点が挙げられます。
ただし、初めて見る人がいる資料や、
ITに詳しくない人も読む可能性がある場合は、
最初だけ 「パスワード(PW)」 のように補足しておくと安心です。
メモ・個人管理・口頭説明の場合
自分用のメモや、気軽なやり取りでは、
PASS が使われる場面も少なくありません。
たとえば、
-
紙のメモ
-
スマホの下書き
-
家族や知人への口頭説明
といったケースでは、
「PASS=パスワード」と自然に理解されることが多いでしょう。
このような場面では、
厳密な英語表現よりも 分かりやすさが優先される ため、
PASSを使っても特に問題になりにくいと言えます。
設定画面・マニュアル・IT関連の表記では?
ログイン画面や設定項目、簡易マニュアルなどでは、
PW または password が使われることが一般的です。
特に、
-
英語表記が混ざる画面
-
項目名として表示される場合
では、PASSよりもPWのほうが違和感なく収まります。
一方で、利用者が初心者向けのサービスや説明ページでは、
あえて略さず password と書かれていることもあります。
迷ったときは「略さない」という選択もある
どちらを使うか迷ったときは、
無理に略さず「パスワード」や「password」と書く のも一つの方法です。
特に、
-
誤解が起きそうな場面
-
相手の知識レベルが分からない場合
では、省略しない表記のほうが安心感があります。
PWとPASSは便利な略語ですが、
必ず使わなければならないものではない という点も、
あわせて覚えておくとよいでしょう。
パスワードの略語でありがちな勘違い
PWやPASSは日常的に見かける表記ですが、
使い慣れているからこそ、思い込みで理解されているケースも少なくありません。
ここでは、よくある勘違いをいくつか整理しておきます。
PWは英語として必ず通じる?
PWは「password」の略として使われていますが、
英語の会話や文章で一般的な略語というわけではありません。
システム画面や項目名では通じやすい一方で、
英語圏の人に対してPWとだけ書くと、
意図が伝わりにくい場合もあります。
そのため、
英語としての正確さが求められる場面では、
略さず password と表記したほうが無難です。
PASSは書くと間違いになる?
PASSは、日本語環境では「パスワード」の省略として
広く使われてきた表記です。
その意味で、即座に間違いと断定されるものではありません。
ただし、英語では pass という別の意味を持つ単語になるため、
英語表記が前提の資料や、
フォーマルな文書では避けたほうが安心です。
「日本語としては通じるが、英語としては別物」
という点が、よく混同されやすいポイントと言えるでしょう。
PWとPASSを混在させても問題ない?
同じ文章や資料の中で、
PWとPASSが混在していると、
読む側が戸惑ってしまうことがあります。
特に、
-
説明文
-
マニュアル
-
手順書
では、表記をどちらかに統一しておくほうが、
内容が伝わりやすくなります。
混在が悪いというよりも、
読み手への配慮として統一する
という意識が大切です。
略語を使う=分かりやすいとは限らない
略語は文字数を減らせる一方で、
見る人によっては意味を考え直す必要が出てきます。
とくに、
-
初心者向けの説明
-
初見の読者が多い文章
では、略語を使わないほうが
結果的に分かりやすくなることもあります。
便利さだけでなく、
「相手がどう受け取るか」 を意識して使うことが、
勘違いを防ぐポイントです。
パスワードの略語を選ぶときの簡単チェックリスト
以下の質問に当てはまるものを確認してみてください。
-
□ 相手がITに詳しいかどうか分からない
-
□ 初めて読む人向けの資料・説明文である
-
□ 英語表記が混ざる文章や画面で使う
-
□ 誤解されると困る場面(案内文・手順書など)
→ 略さず「パスワード / password」と書くのが無難
-
□ 社内システムや設定画面の説明である
-
□ 読み手が内容を把握している前提の文章
-
□ 表示スペースや文字数を抑えたい
→ PWが使われることが多い
-
□ 自分用のメモや非公式なやり取り
-
□ 口頭説明やラフな文章
-
□ 日本語環境だけで完結する場面
→ PASSでも違和感は出にくい
このように、
「どれが正しいか」ではなく、
「どの場面か」で選ぶ と迷いにくくなります。
パスワードの略語に関するよくある質問(FAQ)
Q1:PWとPASS、どちらが失礼に見えますか?
基本的には、どちらか一方が失礼になると決まっているわけではありません。
ただし、社外向けの資料や、初めて説明する相手に対しては、
略語そのものが分かりにくく感じられることがあります。
不安な場合は、最初だけ
「パスワード(PW)」のように補足したり、
略さず「パスワード」と書いたりすると安心です。
Q2:英語圏ではPWやPASSは使われますか?
PASSは英語圏ではパスワードの意味としては使われません。
PWについても、英語の会話や文章で一般的な略語とは言いにくく、
主にシステム画面や項目名として見かける表記です。
英語として正確さが求められる場面では、
略さず password と書くほうが無難でしょう。
Q3:ログイン画面に「PW」と表示されているのは正式な表現ですか?
ログイン画面などで使われる「PW」は、
正式な英語というより、実用的な省略表記と考えるのが近いです。
意味が明確な場面では、
文字数を減らす目的でPWが使われることも多く、
表示として特に問題があるわけではありません。
Q4:資料の中でPWとPASSが混ざっていても大丈夫ですか?
大きな間違いではありませんが、
読み手の分かりやすさを考えると、表記は統一したほうが親切です。
同じ意味の言葉が複数出てくると、
内容とは別のところで迷わせてしまうことがあるため、
どちらかに揃えるか、省略しない表記にまとめるのがおすすめです。
Q5:結局、どれを使うのが一番安全ですか?
「これさえ使えば安心」という表記はありませんが、
迷ったときに安全なのは、略さず「パスワード / password」と書くことです。
PWやPASSは便利な表現ですが、
相手や場面によっては説明が必要になることもあります。
状況に応じて使い分ける意識があれば、
過度に気にする必要はないでしょう。
まとめ|迷ったら「相手」と「場面」で選べばOK
パスワードの略語として使われる PW や PASS は、
どちらか一方が「正解」「間違い」と決まっているものではありません。
それぞれ、使われてきた背景や想定される場面が少しずつ異なります。
-
PW は、システム画面や社内資料など、
意味が共有されている環境で使われやすい表記 -
PASS は、メモや口頭説明など、
日本語環境での分かりやすさを優先した省略表現
と考えると整理しやすいでしょう。
一方で、相手の知識レベルが分からない場合や、
誤解を避けたい場面では、
あえて略さず「パスワード」や「password」と書く という選択もあります。
略語は便利ですが、必ず使う必要があるものではありません。
「どれが正しいか」で悩むよりも、
誰に向けて、どんな場面で使うのか を基準に考えると、
迷いにくくなります。
少し気になるときは、
読み手が迷わず理解できる表記を選ぶ――
それだけ意識しておけば、十分と言えるでしょう。
