英語を学ぶうえで、序数表記はとても重要です。しかし、インターネットやSNSを見ていると、「4nd」という表記を見かけることがあります。ぱっと見では「何かの略語?」と思う人もいますが、実はこれは正しい英語ではなく、誤用の一つです。
「4th」と「4nd」の混同は、英語に不慣れな人だけでなく、意外と多くの学習者が一度は通るミスでもあります。
この記事では、「4nd」がどのように生まれたのか、なぜ使うと恥ずかしいとされるのか、そして正しい表記「4th」の使い方や覚え方まで、徹底的に解説していきます。
正しい英語表現をしっかりと身につけ、自信を持って使えるようになりましょう。
「4nd」は存在する?まずは基本を知ろう
「4nd」は正式な英語表記ではない
まず結論からお伝えすると、「4nd」という表記は正式な英語の序数ではありません。
英語の序数(ordinal numbers)は1st、2nd、3rd、4thのように決まった形で表されます。
この中で「nd」という語尾は「2nd」(second)のときだけ使います。
そのため、4ndは辞書にも公式な英語文法にも載っていない表記です。
たとえば、TOEICや英検などの試験問題で「4nd」と書いた場合、誤答扱いになるのが一般的です。
ビジネスや論文でも使うことはありません。
SNSや非公式で見かける理由
それでも「4nd」を見かけることがあるのは、いくつかの理由があります。
まず一つは、単純なタイポ(タイプミス)です。
「2nd」と「4th」が頭に残っていて、無意識に「nd」を付けてしまうケースが多いのです。
また、SNSやチャットなどのカジュアルなやり取りでは、表記の正確さよりスピードが優先されがちです。
そのため「4nd」がそのまま投稿され、さらにそれを見た人が「こう書くのか」と誤認して使ってしまう、という誤用の連鎖が起こります。
使うと恥ずかしいと言われるのはなぜ?
「4nd」という表記は、英語圏のネイティブから見ると、すぐに間違いだと分かります。
特にビジネス文書や正式なメールで「4nd」と書いてしまうと、「基本的な序数すら理解していない」と受け取られることがあります。
たとえ内容が優れていても、このような初歩的なスペルミスは印象を悪くする原因になりがちです。
また、日本人の学習者同士のやり取りでも、「4ndって間違いだよ」と指摘されることが少なくありません。
そのため「使うと恥ずかしい」とされるのは、この誤用が初歩的な英語のミスであること、そして周囲の目につきやすいことが理由です。
このように、「4nd」は正式な単語でも略語でもなく、ただの誤表記にすぎません。
次章では、正しい表記「4th」のルールについて詳しく見ていきましょう。
正しい序数「4th」とは?英語のルールを確認
序数とは何か?基礎知識
英語には基数(cardinal numbers)と序数(ordinal numbers)があります。
基数は「1,2,3,4…」のように数そのものを表し、序数は順番や順序を示します。
たとえば、
-
one(1)→ first(1st)
-
two(2)→ second(2nd)
-
three(3)→ third(3rd)
-
four(4)→ fourth(4th)
このように、「何番目か」を明示するのが序数の役割です。
日付、順位、リストの番号など、さまざまな場面で使います。
1st・2nd・3rd・4thの正しい書き方
英語の序数は、数字+語尾の組み合わせで表記します。
最初の4つは特別な形を覚える必要があります。
基数 | 序数 | 表記 | 読み方 |
---|---|---|---|
1 | first | 1st | ファースト |
2 | second | 2nd | セカンド |
3 | third | 3rd | サード |
4 | fourth | 4th | フォース |
ここが重要なポイントで、4の場合は必ず「th」を付けます。
「nd」をつけるのは2ndだけです。
5以降は規則的に「th」を付けることが多く、
-
5th(fifth)
-
6th(sixth)
-
7th(seventh)
と続きます。
このルールを理解すると、「4nd」は誤りであることが明確になります。
4thの意味と発音
「4th」は「4番目」を表す正式な序数です。
会話や文章で頻繁に使います。
例えば:
-
He came in 4th place in the race.
(彼はそのレースで4位になった) -
The meeting will be held on the 4th of July.
(会議は7月4日に開催される)
発音は「フォース」に近い響きです。
綴りの「u」はほとんど発音しませんが、「rth」で終わる独特の音に注意しましょう。
次章では、なぜ「4nd」と間違えてしまうのか、その背景を詳しく解説します。
「4nd」と間違える理由とよくある混同
「2nd」と混同する心理的理由
「4nd」という誤表記が生まれる大きな理由の一つは、2nd(セカンド)と混同する心理にあります。
英語の序数は、最初の3つが特殊な語尾を持つため、頭の中でルールが混ざってしまいがちです。
たとえば、序数を暗記するときに
1st、2nd、3rd、4th…
と順に覚えたつもりが、無意識に
1st、2nd、3nd、4nd…
と、「nd」を一律に当てはめてしまう学習者が多いのです。
特に英語に慣れていない段階では、「nd」や「rd」が「th」よりも印象に残りやすい傾向があります。
こうした心理的混同が、「4nd」という表記が生まれるきっかけになります。
タイポ・オートコレクトの影響
もう一つの理由は、単純なタイポ(タイプミス)やオートコレクトの補正です。
パソコンやスマートフォンで文章を打つとき、
-
「2nd」と「4th」を頻繁に使う
-
数字キーのすぐ近くにnd/rd/thの文字が並ぶ
こうした条件が揃うと、手元のミスで「4nd」と打ってしまうことがあります。
さらに厄介なのは、一部の端末やキーボードアプリで予測変換が誤って「nd」を提案する場合です。
例えば「4n」と入力した段階で、「4nd」を候補に表示する古い辞書データを搭載した端末もあり、それを選んで確定するとそのまま送信されてしまいます。
このような偶発的な要因も、誤表記が広まる背景にあります。
日本人学習者に多い誤用パターン
日本語には「序数」という考え方が英語ほど明確には存在しません。
そのため、「4番目」という概念を表記する際に、「th」を付けるルールをきちんと理解しないまま覚えるケースが少なくありません。
とくに、
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2ndと同じ語尾を付けてしまう
-
発音が似ているので気づかない
-
他人のSNS投稿を参考にして誤用を覚える
こうしたパターンがよく見られます。
一度「4nd」を覚えてしまうと、無意識にその表記を繰り返す人も多いです。
英語の習得初期は、正しい綴りを目にする機会が少なく、誤用が自然に思えてしまうことも大きな要因です。
次章では、このような混同を防ぐための正しい覚え方と実践的なコツを紹介します。
恥ずかしい思いをしないための正しい覚え方
語尾のルールを語呂で覚える
「4nd」と書いてしまうのは、序数の語尾ルールがあいまいなまま記憶されているのが一番の原因です。
これを防ぐには、語呂合わせやリズムで覚える方法が効果的です。
たとえば次のように覚えましょう。
✅ 「1→st、2→nd、3→rd、それ以外は全部th」
この一文を繰り返し声に出すだけでも定着しやすくなります。
また、数字と語尾を一緒にイメージで覚えるのも有効です。
-
1 → 王冠をかぶった「st」
-
2 → 並んだ「nd」
-
3 → 三本線の「rd」
-
4以降 → まとめて「th」
こうした視覚的なイメージは、特に序数を混同しやすい人におすすめです。
例文で理解する「4th」の使い方
単語単体ではなく文章の中で使う練習をすることで、自然に正しい表記が身につきます。
ここでは「4th」を使った簡単な例文をいくつか紹介します。
-
This is the 4th time I have visited this city.
(これは私がこの街を訪れる4回目です。) -
She finished in 4th place in the competition.
(彼女はその大会で4位になりました。) -
The meeting is scheduled for the 4th of August.
(会議は8月4日に予定されています。)
例文に触れることで、数字と「th」を一体として覚えられます。
ネイティブチェックのすすめ
自分で練習するだけでは、間違った表記に気づきにくいものです。
可能であれば、ネイティブスピーカーや英語の上級者に添削を依頼するのも一つの手段です。
最近はオンライン英会話や言語交換アプリでも、簡単に文章のチェックをお願いできます。
特にビジネスメールや履歴書のような正式文書では、必ず一度は第三者に確認してもらうことをおすすめします。
こうした一手間が、恥ずかしい誤用を防ぎ、英語力への信頼感を高めてくれます。
次章では、実際の英語表現例や注意点をまとめてご紹介します。
実際の英語表現例
日常会話・ビジネスでの序数使用例
序数は英語のあらゆる場面で登場します。
とくに日付、順位、順序を示すときは必須です。
ここでは「4th」を含む具体的な例文を、日常会話とビジネスシーンに分けて紹介します。
✅ 日常会話の例
-
I live on the 4th floor.
(私は4階に住んでいます。) -
This is my 4th attempt.
(これは私の4回目の挑戦です。) -
His birthday is on the 4th of November.
(彼の誕生日は11月4日です。)
✅ ビジネスシーンの例
-
The 4th quarter results will be announced next week.
(第4四半期の業績は来週発表されます。) -
Please submit the report by the 4th of this month.
(レポートは今月4日までに提出してください。) -
She was promoted to the 4th level of management.
(彼女は管理職の4番目の階層に昇進しました。)
日常でも仕事でも、序数はあらゆる書類や会話に出てくる表現です。
こうした例を繰り返し声に出すことで、語感が定着していきます。
SNS・チャットでの注意点
SNSやチャットアプリでは、急いで文章を打つことが多く、序数の表記を間違えやすいです。
たとえば
-
“Happy 4nd Birthday!”(誤用)
と書いてしまうと、一目でスペルミスだと分かります。
カジュアルな場でも、英語を母語とする人や英語学習者から指摘される可能性があります。
特にSNSは投稿がずっと残るため、正しい表記を意識することが大切です。
もし不安があれば、投稿前に
-
スマホの辞書機能
-
オンライン辞書
-
Googleの検索窓
で一度確認する習慣をつけましょう。
次章では、よくある質問(FAQ)として「4nd」に関する疑問をまとめて解説します。
よくある質問(FAQ)
「4nd」でも意味は伝わる?
結論から言うと、意味はほぼ伝わりますが推奨されません。
相手が文脈から「4thのことだろう」と理解することは多いです。
しかし、特に英語を母語とする人にとっては初歩的なスペルミスに見え、丁寧さや正確さに欠ける印象を与えます。
ビジネス文書や公式なメール、履歴書では避けるべきです。
学習段階の誤りで済むうちに、しっかり正しい形を覚えておきましょう。
他にも間違いやすい序数表記は?
「4nd」と同じように、序数で混乱しやすいパターンはいくつかあります。
代表例は以下の通りです。
✅ 3th(正しくは3rd)
-
third(3rd)はthではなくrdを付けます。
✅ 2th(正しくは2nd)
-
second(2nd)はndが正解。
✅ 5st(正しくは5th)
-
fifth(5th)にはstは使いません。
特に1〜3番目は特別ルールで形が変わるので、「1st・2nd・3rd」をしっかり覚えることが大切です。
それ以外は原則「th」を付けると考えるとシンプルです。
英語の正式文書で間違えたらどうする?
もし正式な書類や大事なメールで誤表記してしまった場合は、気づいた時点で修正や再送信をするのがベストです。
ビジネスメールの場合は、次のように一言添えると丁寧です。
Sorry, there was a typo in my previous message. Please see the corrected version below.
(先ほどのメッセージに誤記がありました。以下が訂正版です。)
また、履歴書や論文などの正式文書では、提出前に再確認する習慣をつけましょう。
些細なスペルミスでも、相手への印象を大きく左右することがあります。
次章では、記事全体を振り返り、要点をまとめます。
まとめ
本記事の要点
ここまで「4nd」と「4th」の違いについて詳しく解説してきました。
要点を振り返ります。
✅ 「4nd」は正式な英語表記ではない
「nd」は2ndだけに使う語尾であり、4の場合は必ず「th」を使います。
✅ 「4nd」の誤用はタイプミスや混同が原因
特に「2nd」「3rd」「4th」の語尾が頭で混ざりやすいことが理由です。
✅ 正しい覚え方と実例を通じて習慣化するのが重要
語呂合わせ、例文練習、第三者チェックを活用すると効果的です。
✅ ビジネスやSNSでも正しい表記を心がける
公式な場での誤記は信頼性に影響を及ぼすため、注意しましょう。
正しい序数表記を心がけよう
序数は英語の基礎知識の一つであり、しっかりマスターしておくとあらゆる場面で役立ちます。
「4th」をはじめ、
-
1st(first)
-
2nd(second)
-
3rd(third)
を正確に使い分けることができれば、文章の印象が格段に引き締まります。
今後は、もし「4nd」を見かけても「これは間違いだな」と気づける自信を持てるはずです。
ぜひこの機会に、序数の正しい表記を自分のものにしていきましょう。