「スマホに知らないアプリが入っていた…」そんな経験はありませんか?
とくに小さなお子さんやシニアの方がスマートフォンを使っていると、意図せずアプリをインストールしてしまうケースが少なくありません。
こうしたアプリの中には、個人情報の流出や不正な課金などを招く危険なものもあるため、適切な対策が必要です。
本記事では、AndroidとiPhoneの両方に対応した「勝手にアプリが入るのを防ぐ方法」をわかりやすくご紹介。
さらに、家族でスマホを共有する場合のセキュリティ設定や、不審なアプリを見つけたときの対応方法も解説しています。
設定変更が初めての方でも簡単に取り組める内容となっていますので、ご自身やご家族のスマートフォンを守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
知らないアプリが勝手に入る原因は?
スマートフォンを使っていて、「こんなアプリ、入れた覚えがない…」と驚いた経験はないでしょうか?
実は、アプリが勝手にインストールされるように見える背景には、複数の要因が隠れています。
一見無害に思える操作や設定の油断が、セキュリティ上のリスクに直結している場合もあるため、まずは代表的な原因を把握しておきましょう。
① ウイルスやマルウェアの影響
インターネットを使っていると、怪しげな広告や不審なリンクに遭遇することがあります。
うっかりタップしてしまうと、「マルウェア」と呼ばれる悪意あるソフトウェアがスマホに侵入する危険性があります。
このマルウェアは、見た目は普通のアプリでも、実際には個人情報を抜き取ったり、別の不正アプリを自動で追加したりするなど、裏で勝手に動作する仕組みを持っています。
結果として、自分の知らない間にスマホ内のアプリがどんどん増えてしまうという事態に…。
② アプリに過剰なアクセス権限を与えている
新しいアプリをインストールしたときに、「〇〇へのアクセスを許可しますか?」という確認画面が表示されることがあります。
このとき内容をよく確認せずに「すべて許可」を選んでしまうと、アプリに本来必要のない権限まで与えてしまうことに。
中には、他のアプリを勝手にインストールする権限を利用して、意図しない動作をする悪質なアプリも存在します。
とくにスマホに不慣れな方や、子どもが使う端末では、事前にアクセス権限を制限しておくことが重要です。
③ 提供元不明のアプリを許可している
Android端末では、「提供元不明のアプリを許可する」という設定をオンにすると、Google Play以外の場所からもアプリをインストールできるようになります。
一見便利なようですが、この設定が有効になっていると、信頼性の低いアプリや、危険なサイト経由のアプリが入りやすくなるリスクも高まります。
とくに心当たりのないアプリが急に追加される場合、この設定を見直すことが最初のステップです。
🧩 補足:FAQ
Q. 勝手にアプリが入る=ウイルス感染と考えるべきですか?
A. ウイルス(マルウェア)が原因のこともありますが、多くは「設定ミス」や「不注意なタップ」などが引き金です。まずはセキュリティ設定を見直すのが有効です。
Q. すでにマルウェアが入っているかどうかは、どう確認できますか?
A. セキュリティアプリを使ってスマホをスキャンすることで、マルウェアや怪しい挙動を検出できます。信頼できるアプリ(例:ノートン、Avastなど)を使用しましょう。
Androidでアプリの誤インストールを防ぐ設定
Androidスマートフォンでは、ちょっとした設定の見直しだけで、知らないうちにアプリが追加されてしまうリスクを大幅に減らせます。
とくに子どもが使うスマホや、シニア世代が利用する端末では、初期設定のまま放置されているケースも多く、思わぬトラブルの原因になることも。
以下のチェックリストを参考に、安全性を高めるための基本設定を確認しておきましょう。
①「提供元不明のアプリ」からのインストールをブロック
Google Play以外からのアプリを許可していると、信頼できないサイトやメール経由で不正なアプリが入り込む可能性があります。
操作手順:設定 → セキュリティ → 提供元不明のアプリ
→ すべてのアプリについて「許可しない」に設定する
この項目は、初期状態でオフになっているのが基本ですが、何かの拍子にオンになってしまっていることもあるため、定期的に確認しましょう。
② Google Playプロテクトをオンにする
Google公式のセキュリティ機能「Playプロテクト」は、不審なアプリを自動でスキャンし、警告してくれる機能です。
操作手順:Playストア → 右上のプロフィールアイコン → Playプロテクト
→ スキャン機能をオンにする
オンにしておくだけで、日々の見えないリスクを大きく軽減できます。
③ アプリごとの権限をチェック・制限する
スマートフォンにインストールされたアプリの中には、位置情報や通話履歴、ストレージへのアクセスなど、広範な権限を求めるものがあります。
操作手順:設定 → アプリ → 権限管理
→ 各アプリの権限を確認し、不要なものは「許可しない」に切り替える
見直すことで、アプリによる余計な操作や情報取得を防止できます。
④ 不審なアプリを見つけたら削除・無効化
インストール履歴をこまめにチェックし、見覚えのないアプリや使っていないものは早めに削除しておくのが安心です。
操作手順:設定 → アプリと通知
→ 気になるアプリを選び、「アンインストール」または「無効にする」を選択
削除できないシステムアプリの場合でも、「無効化」することで動作を止められるケースがあります。
⑤ アプリの自動更新をオフにする
Playストアの設定によっては、アプリが自動でアップデートされるだけでなく、類似の関連アプリが追加でインストールされるケースもあります。
操作手順:Playストア → 設定 → ネットワーク設定 → アプリの自動更新
→ 「自動更新しない」に設定
手動で更新を行う習慣をつければ、不必要なアプリ追加のリスクも抑えられます。
🧩 補足:FAQ
Q. Playプロテクトって絶対にオンにすべき?
A. はい、基本的にはオンがおすすめです。Googleが提供するセキュリティチェック機能で、アプリに潜むリスクを自動で検出してくれます。
Q. 権限管理って全部オフにしていいの?
A. すべての権限をオフにしてしまうと、一部のアプリは正常に動作しなくなります。必要最小限の権限だけ許可し、不審な権限が含まれていないかチェックするのが基本です。
iPhoneでアプリの勝手な追加を防ぐには?
iPhoneには、不必要なアプリのインストールを防ぐための便利な機能が最初から搭載されています。
とくに「スクリーンタイム」を使えば、アプリの追加や削除、ダウンロード時の制限を細かく設定できるため、お子さんが使うiPhoneでも安心です。
以下に、意図しないアプリの追加を防ぐための主な設定方法を紹介します。
① スクリーンタイムでアプリのインストールをブロック
「スクリーンタイム」には、アプリの使用時間制限だけでなく、新しいアプリのインストール自体を禁止する機能があります。
操作手順:設定 → スクリーンタイム → コンテンツとプライバシーの制限 → iTunesおよびApp Storeでの購入
→「Appのインストール」を「許可しない」に設定
この設定をしておけば、他の人が勝手にアプリを追加することができなくなります。
② App Storeを一時的に非表示にする
より強力な対策として、App Storeアプリそのものを非表示にすることも可能です。
操作手順:設定 → スクリーンタイム → コンテンツとプライバシーの制限 → 許可されたApp
→ 「App Store」をオフにする
これにより、アプリの検索やインストールが物理的にできなくなるため、特に小さなお子さんが使用する端末におすすめです。
③ App Storeでの操作にFace ID・パスコードを要求する
アプリをインストールする際に、Face IDやパスコードの認証を必須にすることで、誤操作や他人による勝手な追加を防げます。
操作手順:設定 → Face IDとパスコード → iTunes StoreとApp Store
→「Appインストール時の認証」をオンに設定
この設定をしておけば、たとえApp Storeにアクセスできても、本人の認証がないとインストールできないため安心です。
🧩 補足:FAQ
Q. スクリーンタイムのパスコードを忘れたらどうすればいいですか?
A. Apple IDに登録されている情報を使ってリセットできます。設定画面で「パスコードをお忘れですか?」をタップし、案内に従って操作してください。
Q. App Storeをオフにすると更新もできなくなる?
A. はい、App Store自体が非表示になるため、新しいアプリのダウンロードや既存アプリのアップデートも一時的に制限されます。必要に応じてオンに戻す操作が必要です。
家庭でできるスマホのセキュリティ対策
スマートフォンのセキュリティ対策は、設定だけでなく家庭内での意識づけや使い方のルール作りも重要です。
とくに家族でスマホを共有する場合や、子どもにスマホを持たせている場合には、日常的な管理や制限がリスク回避につながります。
ここでは、家庭で手軽にできるスマホのセキュリティ対策を3つの視点からご紹介します。
① 子ども向けの見守り機能を使う
スマホ操作に慣れていない子どもが、不用意にアプリを追加したり、怪しいリンクを開いたりするのを防ぐには、ペアレンタルコントロール機能の活用が効果的です。
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Android:Googleファミリーリンク
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iPhone:スクリーンタイムの「保護者による制限」
これらの機能を使えば、アプリのインストール制限、使用時間の設定、コンテンツの年齢制限などが可能になります。
子どものスマホ利用を“見える化”し、必要な範囲でコントロールできるのが魅力です。
② 広告設定を見直してリスクを軽減
スマホの機種によっては、システムレベルで広告表示がオンになっている場合があります。
とくにXiaomiなど一部のAndroid端末では、広告機能がプリインストールされており、それが原因で不明なアプリが表示・インストールされることも。
対策としては以下の設定を確認・変更しましょう。
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パーソナライズド広告の無効化
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システム広告のオフ
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広告通知の非表示化
これにより、誤タップによるアプリ追加や、怪しい広告経由の誘導を防ぎやすくなります。
③ アプリストアの年齢制限や管理機能を活用する
Google PlayやApp Storeには、アプリの年齢制限や表示制限が設定できる機能があります。
たとえば:
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「12歳以下向けのアプリのみ表示」
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「購入時に必ず認証が必要になる設定」
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「利用可能なアプリカテゴリを制限」
これらを事前に設定しておけば、誤って不適切なアプリをインストールすることを防げます。
また、学校や会社では「モバイルデバイス管理(MDM)」という仕組みを使い、端末を一括管理しているケースもあります。家庭でも複数台のスマホ管理が必要な場合は、MDMの導入を検討するのも一案です。
🧩 補足:FAQ
Q. Googleファミリーリンクは親のスマホにもアプリを入れないといけませんか?
A. はい、ファミリーリンクは保護者側のスマホにも専用アプリをインストールする必要があります。そこから子どものスマホを遠隔で管理できます。
Q. 広告設定を変えるだけで本当に安全になるの?
A. 完全にリスクをゼロにすることはできませんが、広告を経由した不正アプリの流入リスクを大幅に下げることができます。とくに安価なスマホでは初期状態のままになっていることが多いため、一度確認しておくと安心です。
見覚えのないアプリを見つけたときの対応
もしスマートフォンに「見たことのないアプリ」がインストールされていたら、驚きや不安を感じるのは当然です。
しかし、あわてて操作を誤ると、かえって状況が悪化する可能性もあるため、落ち着いて以下の手順を確認しましょう。
① 不審なアプリをアンインストールする
まずはアプリ一覧を開いて、名前に見覚えがないもの、英語や記号のみの名称、不自然に広告が多いものなどをチェックします。
削除手順:設定 → アプリ(またはアプリと通知)
→ 対象のアプリを選択 → 「アンインストール」または「無効にする」を選ぶ
※削除できない場合は、まず「強制停止」してから「無効化」するとよいでしょう。
② セキュリティアプリでスキャンを行う
信頼できるセキュリティアプリを利用し、スマートフォン全体をスキャンすることで、マルウェアやスパイウェアなどの不正プログラムが潜んでいないかチェックできます。
おすすめのセキュリティアプリ例:
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Norton Mobile Security
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Avast Mobile Security
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Kaspersky Mobile Antivirus(Android)など
スキャン後に「削除を推奨」と表示されたアプリは、すみやかに削除することをおすすめします。
③ アカウントのパスワードを変更する
不正なアプリがインストールされていた場合、GoogleアカウントやApple IDなどのログイン情報が外部に流出している可能性も考えられます。
対応手順:
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Googleアカウント:
Google アカウント設定 → セキュリティ → パスワード変更
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Apple ID:
設定 → Apple ID → パスワードとセキュリティ → パスワードの変更
また、二段階認証(2FA)を有効化しておくと、なりすましログインのリスクも下げられます。
④ 最終手段:スマートフォンを初期化する
すべての対策を試しても改善しない場合は、スマホを工場出荷状態にリセットする方法が最終手段です。
ただし、重要なデータは必ず事前にバックアップしておくようにしましょう。
初期化手順例(Android):設定 → システム → リセットオプション → すべてのデータを消去(初期化)
初期化後は、必要なアプリのみを再インストールし、セキュリティ設定も一から整えることが重要です。
🧩 補足:FAQ
Q. 怪しいアプリが削除できないのですが、どうすればいい?
A. 削除できない場合は、まずアプリの権限を制限し、「強制停止」→「無効化」を試してください。それでも削除できなければ、初期化を検討しましょう。
Q. セキュリティアプリは複数入れたほうが安心?
A. 基本的には1つの信頼できるセキュリティアプリを使用する方が安定します。複数を同時に使うと、干渉してスマホの動作が不安定になる可能性があります。
まとめ|アプリの勝手な追加を防ぐ基本は“設定の見直し”
スマートフォンに知らないアプリが勝手に追加されてしまうトラブルは、設定や日常の使い方を少し工夫するだけで防げるものがほとんどです。
今回ご紹介したような対策を取り入れることで、スマホのセキュリティはぐっと高まり、個人情報や家族の安全も守ることができます。
特別な知識や技術は必要ありません。まずは、以下のような基本的なポイントから実践してみてください。
📌 実践したいスマホの安全対策チェック
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「提供元不明のアプリ」を許可しない設定にしておく(Android)
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Playプロテクトやセキュリティアプリで不正検出機能を活用
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アプリのアクセス権限を見直し、不要な権限を制限
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iPhoneのスクリーンタイムでアプリのインストール制限を設定
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App Storeの利用にパスコードやFace IDを設定しておく
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見覚えのないアプリを定期的に確認・削除する習慣をつける
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家庭内のスマホにはペアレンタルコントロール機能を活用する
スマートフォンは便利な一方で、少しの油断が大きなトラブルに発展するリスクもあります。
ぜひ今回のガイドを参考に、ご自身やご家族のスマホをより安全な状態に整えていきましょう。
「気づいたときが、見直すチャンス」です。今日からでも始めてみてください。