PCゲームをSteamで楽しんでいる方の中には、「ゲームをアンインストールしたらセーブデータは消えてしまうのでは?」と心配になったことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Steamからゲームを削除する際にセーブデータがどうなるのかを、クラウド対応の有無や保存場所の違いなども交えて詳しくご紹介します。また、データを安全にバックアップ・復元するための方法や、代表的な人気タイトルの事例も解説。不要なトラブルを避けながら、安心してゲームの整理ができるよう、わかりやすくまとめました。
ゲームのアンインストールでセーブデータは消える?Steamでの基本的な仕組みを解説
ゲーム本体とセーブデータの保存場所はどこ?
Steamを通じてインストールされたゲームのファイルは、通常次のような場所に保存されています。
-
ゲーム本体のファイル:
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common
-
セーブデータ: タイトルによって保存先が異なり、多くの場合はユーザーの「ドキュメント」フォルダや「AppData」フォルダ内に保管されます。
-
例:
C:\Users\ユーザー名\Documents
-
例:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local
またはRoaming
-
同じゲームシリーズでもタイトルによって保存場所が違うこともあるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。
例えば、あるゲームは「Documents」内にセーブされる一方、別のタイトルでは「Saved Games」や「AppData\Roaming」内に置かれることもあります。
加えて、セーブデータ以外にも、ゲームの設定ファイル(例:config.ini)やスクリーンショットなど、プレイ環境に関わるファイルも一緒に保存されていることがあります。これらを失いたくない場合は、保存フォルダごと確認しておくと安心です。
特定の保存フォルダにすばやくアクセスするには、エクスプローラーのアドレスバーに %appdata%
や %localappdata%
と入力すれば、対応するフォルダへすぐに移動できます。
セーブデータは残る?それとも消える?ケース別に見たSteamの挙動
Steamクライアントをアンインストールしただけであれば、通常はセーブデータが削除されることはありません。この場合、削除されるのはゲーム本体のみで、セーブデータはPC上にそのまま残るのが一般的です。
しかし、すべてのゲームが例外なく安全というわけではないので、注意が必要です。
たとえば、一部のインディーズゲームや古いタイトルでは、セーブデータ自体をゲームのインストールフォルダ内(例:SteamApps\common
)に保存していることがあります。そうした場合、Steamの削除と同時にセーブデータも一緒に消去されてしまうことがあるのです。
また、PCのメンテナンスソフトやクリーンアップツール(CCleanerなど)を使用している方も要注意です。これらのソフトがセーブデータを「不要なファイル」と誤判定して削除してしまうことも報告されています。
ポイント:
-
ゲームによってはセーブデータが本体と同じフォルダにある
-
外部ツールの動作によって意図せずデータが消える場合がある
-
セーブの場所を確認し、必要であれば事前に手動でバックアップを取っておくと安心
Steamクラウド機能があるかどうかで大きく変わる保存の仕組み
Steamクラウド対応のゲームは、セーブデータをインターネット上のクラウドと自動的に同期してくれます。これにより、PCを買い替えたりSteamを再インストールした場合でも、以前のセーブデータがそのまま復元される可能性が高くなります。
一方、クラウド非対応のゲームではセーブデータがローカル(自分のPC)にしか保存されないため、自分でバックアップを取らない限り復元できません。
クラウド対応状況の確認方法(簡単3ステップ)
-
Steamライブラリで対象のゲームを右クリック
-
「プロパティ」を選択
-
「一般」タブ内にある「Steamクラウドを使用してゲームの設定を保存する」という項目があれば、クラウド対応です
ただし、クラウド対応であっても保存できる容量に制限(100MB〜1GB程度、タイトルによって異なるが概ねこの範囲)があるため、ゲームによってはすべてのセーブデータがアップロードされないこともあります。
とくに注意が必要なのが、MODを多く導入しているゲーム。その影響でセーブファイルが大きくなってしまい、クラウドの上限を超えて同期エラーが発生することがあります。
Steamをアンインストールする前に確認しておきたい重要なポイント
ストレージ容量を増やしたいときに考えるべきこと
PCの空き容量を確保するために、使っていないゲームを一時的に削除するのは有効な手段です。ただし、アンインストールする前に必ずセーブデータがどこに保存されているかを確認しておくことが大切です。
また、ゲームを削除しても、スクリーンショットやワークショップ関連のデータはPC上に残る場合があります。これらは次の場所に保存されていることが多いため、必要に応じてチェックしてみましょう。
-
Steam\userdata
フォルダ -
Documents
やAppData
以下のサブフォルダ
ヒント:
「ディスク容量をどのゲームがどれだけ使っているか」は、Steamライブラリからゲームを右クリック → 「プロパティ」→「インストール済みファイル」 で確認できます。
「アンインストール」と「完全削除」「永久削除」の違いを正しく理解しよう
Steamには、似ているようでまったく違う3つの削除方法があります。それぞれの違いを整理しておきましょう。
-
アンインストール:
ゲーム本体をPCから削除するだけ。セーブデータや設定ファイルは別の場所に残ることが多い。 -
完全削除(手動削除):
フォルダを自分で削除した場合、セーブデータや環境設定も消えてしまう可能性が高くなります。 -
永久削除(ライブラリからの削除):
Steamアカウントからも完全にゲームの所有履歴が消える処理。
一度実行すると、再度そのゲームをプレイするには購入し直す必要があります。
特に「永久削除」は誤解されがちですが、これは無料ゲームや体験版を誤って削除してしまい、二度と復元できなくなる事例も見られます。
永久削除を実行する手順:
「Steamサポート」→対象のゲームを検索→「サポートを受ける」→「このゲームを完全に削除する」
注意:取り消しが難しい操作なので、よく確認してから実行してください。
再インストール後、セーブデータは元に戻る?
クラウドに対応しているゲームであれば、再インストール時に自動的にセーブデータが復元されるケースがほとんどです。
しかし、クラウド非対応のゲームでは、自分でバックアップを取っておかないと、データが消えてしまう可能性があります。
また、再インストール後の初回起動時に、次のようなメッセージが表示される場合もあります。
「クラウドとローカルのセーブデータに差異があります。どちらを使用しますか?」
このようなときには、クラウドに残っているデータが古い可能性もあるため、ローカルの最新バックアップを優先して使うのがおすすめです。
安全のための一工夫:
再インストール前にセーブデータのコピーを取っておき、クラウドと競合したときに復元できるようにしておくと、トラブルを避けられます。
代表的なゲームごとのセーブデータの扱い方(モンスターハンターなど)
モンハンシリーズにおけるセーブデータの保存方式
モンスターハンターワールドやモンスターハンターライズなど、Steamで配信されているモンハンシリーズは、Steamクラウドに対応しています。そのため、通常であればセーブデータは自動的にクラウドに保存され、再インストール後もデータが復元されるようになっています。
ただし、ローカルにもセーブデータが保存されているため、念のためバックアップを取っておくと安心です。
モンスターハンターライズの例では、初期設定の保存先は以下のようになっています。
このフォルダの中にある .sav ファイルがセーブデータです。バックアップを取る際は、このフォルダ全体をコピーして保存しておくと、セーブデータだけでなくMOD設定やグラフィック設定などもまとめて保管できます。
なお、MODを導入してプレイしている場合は、クラウドとの同期を無効にしておく方が安全です。というのも、クラウド側に不正なデータが同期されてしまうと、環境によっては次回起動時にゲームがクラッシュするなどの不具合につながる可能性があるためです。
クラウドに対応していないゲームでのセーブデータの保存方法
Steamクラウドに非対応のゲームでは、セーブデータはすべてローカルのPCに保存されます。こうしたゲームでは、自分で保存場所を確認し、必要に応じて外部ストレージなどにコピーしておくと安全です。
たとえば、Stardew Valleyのようなタイトルでは、以下の場所にセーブデータが保存されます。
この中には、「プレイヤー名_ランダムな英数字」といった名前のフォルダがあり、その中にセーブ内容が格納されています。フォルダごとコピーすれば、手動での復元も容易です。
クラウドに非対応でも、セーブデータの保存場所とバックアップ方法を把握しておけば、大切なデータを失うリスクをかなり抑えることができます。
セーブデータに関するトラブルとその対処法
ゲームの再インストールやクラウドとの同期時に、セーブデータに関するトラブルが起こることもあります。よくある事例と、その対策を以下にまとめます。
症状 | 主な原因 | 対処方法 |
---|---|---|
クラウドとローカルのセーブが違う | 同期のタイミングがズレた | Steam起動時に表示される選択画面で、正しい方を選択 |
ゲームが起動後にクラッシュする | クラウドに壊れたデータが残っている | クラウド同期をオフにし、手動バックアップから復元 |
セーブが反映されない | 保存場所の構成やファイル名が不正 | 正しいディレクトリや拡張子(例:.sav)になっているか確認 |
このようなトラブルを防ぐためにも、定期的にバックアップを取ることが重要です。
セーブデータを安全に保存・復元するための方法
Steamクラウド機能を使った自動バックアップの手順
Steamには、クラウド上にセーブデータや設定ファイルを自動保存してくれる便利な機能があります。クラウド機能が有効になっていれば、PCの買い替えやOSの再インストール後でも、ゲームの設定や進行状況をスムーズに引き継ぐことができます。
設定手順は以下のとおりです。
-
Steamを起動
-
ライブラリ内でゲームを右クリック
-
「プロパティ」→「一般」タブを選択
-
「Steamクラウドを使用してゲームの設定を保存する」にチェックが入っているか確認
クラウドが有効になっていれば、セーブデータは自動的にSteamサーバー上に保存されます。ただし、クラウドには保存容量の上限があり、大作ゲームやMODを多く使用しているタイトルでは、ファイルサイズが制限を超えてエラーになることもあります。
このため、クラウドはあくまで補助的な役割と考え、手動でのバックアップも併用するのがおすすめです。
外付けストレージや別PCに手動でセーブデータを保存する方法
クラウドに対応していないゲームや、大事なセーブデータを確実に保管しておきたい場合は、手動でバックアップを取る方法が有効です。
-
ゲームごとのセーブデータの保存場所を調べる
(「ゲーム名 セーブデータ 保存場所」で検索すると便利) -
対象のフォルダをUSBメモリや外付けHDDなどにコピー
-
定期的に上書き保存しておくことで、万一のデータ消失にも対応しやすくなる
手動バックアップは、自分のタイミングで好きな状態を保存できるため、クラウド上書きの心配がなく、トラブル時に過去の状態へ戻せるのもメリットです。
バックアップ作業を自動化したい場合は、Windowsの「タスクスケジューラ」や「FreeFileSync」などの無料ソフトを使って、定期的なコピー処理を設定する方法もあります。
バックアップからセーブデータを復元する手順と注意点
ゲームを再インストールした後、以前のセーブデータを復元するには、保存しておいたデータを元の場所に戻すだけです。ただし、いくつかの注意点があります。
・セーブデータのファイル名やフォルダ構成が元と一致していないと、ゲームが認識しないことがあります
・ゲームによっては、初回起動時に新しいセーブファイルが自動作成される場合があり、その上に手動バックアップを上書きしてしまうと、意図しないデータ消失が起こる可能性も
最も安全なのは、ゲームを一度も起動していない状態でバックアップデータを配置し、その後にゲームを起動する手順です。
また、クラウド機能が干渉してうまく復元できないことがあるため、必要に応じてクラウドの同期を一時的に無効にして試すと、正常に読み込めることがあります。
Steamからゲームをアンインストールした際に起こりやすい注意点とトラブル事例
セーブデータが消えてしまう可能性がある状況とは
一部のゲームでは、セーブデータがゲーム本体と同じフォルダに保存されていることがあります。このようなケースでは、Steamからそのゲームをアンインストールすると、セーブデータも一緒に削除される可能性が高まります。
また、外部のMODやセーブデータ管理ツールを導入している場合、セーブファイルの保存先が通常とは異なることもあるため注意が必要です。
特にSkyrimやFalloutシリーズのように、MODの利用が前提となっているゲームでは、ドキュメントフォルダ内の「My Games」以下に大事なファイルが保存されています。これらのデータはSteamのアンインストールでは消えませんが、誤って手動で削除してしまうと復元は困難です。
容量不足を解消したいときのアンインストール活用法
PCのストレージ容量が足りない場合は、容量を大きく消費しているゲームを一時的に削除するのが効果的です。特に、あまりプレイしていない大型タイトルは、アンインストールするだけで数十GB以上の空きが作れることもあります。
ただし、すぐに再プレイする可能性がある場合は、外付けストレージや別ドライブへ移動するという選択肢もあります。
Steamでは、ゲームを複数の場所にインストールできるようになっており、「Steamライブラリフォルダ」を追加すれば、容量の大きいゲームだけを外部ドライブに移動できます。
ゲームの移動手順:
Steamライブラリで該当タイトルを右クリック →「管理」→「インストールフォルダを移動」
この機能を活用すれば、アンインストールせずに容量だけを確保できるため、とても便利です。
アンインストール後に再購入が必要になるのはどんな場合?
通常のアンインストールでは、Steamアカウント上にゲームの所有情報が残るため、再インストールはいつでも無料で可能です。しかし、ライブラリから完全に削除(いわゆる「永久削除」)してしまった場合は話が別です。
この操作を行うと、Steam側では「このゲームはもう所有していない」と判断されるため、再び遊ぶには新たに購入する必要が生じます。
ただし、削除後であってもサポートに連絡することで復元できる場合があります。購入履歴などの証拠が残っていれば、Steamサポートがアカウントに再付与してくれる可能性があります。保証はされていませんが、申請してみる価値はあるのではないでしょうか。
一方で、無料ゲームや期間限定配信されたベータ版などは、再配信されていない限り復元が難しい場合もあります。うっかり削除しないよう注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Steamのゲームをアンインストールしたら、セーブデータは自動的に削除されますか?
いいえ、通常は削除されません。
Steamでゲームをアンインストールしても、セーブデータは別のフォルダに保存されているため、基本的にはそのまま残ります。ただし、一部のゲームではインストールフォルダ内にセーブデータがある場合もあるので、事前の確認が大切です。
Q2. クラウド対応かどうかをゲームごとに確認するには?
Steamライブラリで対象のゲームを右クリックし、「プロパティ」を開いたあと、「一般」タブ内にある「Steamクラウドを使用してゲームの設定を保存する」の項目で確認できます。この表示があれば、そのゲームはクラウド対応です。
Q3. セーブデータがクラウドに保存されているか確認する方法は?
クラウド同期の状態は、Steamの「設定 → クラウド」から全体の有効/無効を確認できます。また、特定のゲームについては、プロパティ画面内の項目にチェックが入っていれば有効です。クラウドに保存されるデータの内容はゲームによって異なるため、手動バックアップも併用しましょう。
Q4. アンインストール後に再インストールすれば、以前の状態に戻せますか?
はい、クラウドに対応していれば自動的に復元される場合が多いです。ただし、非対応ゲームでは自分でバックアップを取っておく必要があります。再インストール前にセーブデータを上書きしてしまうと、データが消えてしまうこともあるので注意しましょう。
Q5. 「永久削除」とは何ですか?間違えて実行するとどうなりますか?
永久削除は、そのゲームをSteamアカウントのライブラリから完全に削除する操作です。一度削除すると、再度遊ぶには購入し直す必要があります。特に、無料ゲームや体験版では復元できないこともあるため、実行前に慎重に判断しましょう。
まとめ:Steamでゲームを削除する前に確認しておきたいセーブデータ管理の基本
Steamでゲームをアンインストールする際、セーブデータが残るかどうかは、ゲームの種類や保存場所、そしてクラウド対応の有無によって大きく左右されます。
安心してゲームを整理するためには、事前にデータの保存場所を把握し、必要に応じてバックアップを取ることが重要です。
クラウドに対応しているゲームなら自動保存が行われますが、すべてのゲームが対応しているわけではありません。クラウド非対応のタイトルでは、自分でローカルデータを守る意識が必要になります。
セーブデータを安全に管理するための基本ポイント
・クラウドとローカルの両方でデータを管理する
・定期的に手動バックアップを取る習慣をつける
・各ゲームごとのセーブ場所を確認し、復元できる形で保存しておく
アンインストール前の確認チェックリスト
□ セーブデータの保存場所を調べたか?
□ Steamクラウド機能が有効になっているか確認したか?
□ バックアップを事前に作成したか?
□ 単なるアンインストールなのか、それともライブラリからの完全削除かを把握したか?
こうしたポイントを押さえておけば、Steam上のゲームを安心して整理できます。トラブルや後悔を避けるためにも、セーブデータの扱いにはひと手間かけることをおすすめします。