ズボンの紐がふとしたタイミングで“スルッ”と抜けてしまい、
「どうやって戻せばいいの…?」と手が止まってしまうこと、ありますよね。
特にトンネル状の通し口は中が見えないので、無理に押し込もうとしても途中で詰まったり、片側だけ進んでしまったりと、思っている以上に難しく感じるものです。
ただ、安心してください。
ズボンの紐は 特別な道具がなくても、家にあるもので簡単に通し直すことができます。
ストローやヘアピン、安全ピンなど、身近なアイテムを使えば、初めての方でもスムーズに戻せるようになります。
この記事では、
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初心者でもすぐできる通し方
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詰まりやすいポイントの対処法
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紐が抜けないようにする予防策
などを、写真がなくてもイメージしやすい形でていねいにまとめました。
今まさに「紐が戻らなくて困っている…!」という場合も、
順番に読み進めるだけで落ち着いて作業できるようになると思います。
それでは、さっそく通し方を見ていきましょう。
家にあるものでできる!ズボンの紐を通す3つの方法
ズボンの紐を通し直すとき、専用の道具がなくても大丈夫です。
実は、家の中にある日用品を使うだけで、意外なほどスムーズに作業できます。ここでは、特に扱いやすく、初めての人でも失敗しにくい3つの方法をご紹介します。どれも一度やり方を覚えてしまえば、他の衣類(パーカーやパジャマなど)の紐にも応用できるのが便利なところです。
ストローを使う方法(最も簡単・失敗しにくい)
ストローは、ズボンの紐通しで“最も手軽で成功率の高い道具”です。
紐をストローに差し込み、端を折り返して固定することで、ストローそのものをガイドとして使えるため、トンネル状の通し口でもスイスイ進みます。
手順
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紐の先端を2〜3cmほどストローに差し込む
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差し込んだ部分を親指で軽く押さえて固定する
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ストローの先端からトンネル(紐通し部分)に入れて進める
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反対側の出口までストローを押し出し、紐を引き抜く
ストローは軽くて滑りやすいので、厚手の生地でも比較的スムーズに進みます。
特に「途中で引っかかるのが苦手…」という方に向いています。
ヘアピン・ヘアゴムを使う方法(細かい作業が得意な人向け)
ヘアピン(アメピン)は、先端で紐を挟んで引っぱることができるため、細いトンネルでも使いやすいアイテムです。紐の先端をヘアピンに通して固定したら、トンネルの端を少しずつ“押す+引く”のイメージで進めていきます。
手順
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紐の先端をヘアピンの丸い側に差し込む
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必要であればヘアゴムで軽く固定する
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ヘアピンの先端をトンネルに入れ、少しずつ押し進める
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途中で止まったら、ピンを軽く引き戻して位置を整えつつ進める
ヘアピンは短く扱いやすい一方、途中で角度がつくと戻りやすいため、ゆっくり丁寧に動かすことが成功のポイントです。
安全ピン・クリップなど文具を使う方法(通す距離が長いズボン向け)
安全ピンやゼムクリップなどの文具は、「紐の先端をしっかり固定できる」ことが魅力です。特に、スポーツパンツのように生地が厚く、通し口の距離が長いタイプのズボンで安定感を発揮します。
手順
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紐の先端に安全ピンを通してしっかり閉じる
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安全ピンの頭の部分をトンネルに差し込む
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押し進めるというより、左右に揺らしながら前へ進めるとスムーズ
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反対側まで到達したら、紐ごと引き抜く
安全ピンは金属なので、布地に引っかかりにくいのが利点です。ただし、先端が鋭いタイプを使う場合は、生地を傷つけないように少し慎重に扱うと安心です。
◎ 詰まりやすいときの共通ポイント
どの方法でも、途中で止まってしまうときは
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無理に押さず、一度少し戻してから角度を変える
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紐やトンネル部分を軽くつまんで生地のねじれを整える
といった“小さな調整”が効果的です。
特に、紐の先端が柔らかく丸まっている場合は引っかかりやすくなるため、事前に先を細く折りたたむなどの工夫をしておくと通りが良くなります。
専用の紐通し器を使う方法(持っている人向け)
家にあるもので十分対応できますが、もし手元に紐通し専用の道具がある場合は、作業が一段とスムーズになります。専用器具は“紐をしっかりつかんで押し進める仕組み”になっているため、長いトンネルや厚手の生地でも安定して通せるのが特徴です。普段からパーカーやズボンの紐を通し替える機会が多い方には、ひとつ持っておくと便利なアイテムです。
紐通し器はどんな仕組み?(ざっくりとした特徴)
一般的な紐通し器は、
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長い棒状のスティック型
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紐を挟んで固定するクリップ型
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針金のように柔らかく曲がるタイプ
など、形状はいくつかありますが、どれも「紐をしっかり先端に固定し、そのままトンネルに通す」という基本構造は同じです。
自分で角度を微調整できるため、手作業よりも布地の抵抗を受けにくく、内部が多少湾曲しているズボンでも扱いやすい設計になっています。
専用器具を使ったときの通し方(基本の手順)
特別むずかしい手順はありません。初めてでも、次の流れを押さえておけば問題なく使えます。
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紐の先端を器具に固定する
挟むタイプならカチッと挟むだけ、リング状のものなら通して軽く結ぶだけでOKです。 -
器具の先端をトンネル部分に入れる
入口に対してまっすぐ差し込むと引っかかりにくくなります。 -
布地を軽く押さえながら進める
ズボンの生地がついてくる場合は、反対の手で軽く生地を押さえるとスムーズに進みます。 -
出口まで到達したら、紐ごと引き抜く
最後に器具を外せば、紐がきれいに1本通った状態になります。
慣れてくると、ヘアピンやストローよりも早く通せることが多く、
「長いトンネルでもほぼ引っかからない」
「厚手のスポーツウェアにも使いやすい」
といったメリットを感じられます。
専用器具のメリット・デメリット
メリット
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紐をしっかり固定できるので途中で外れにくい
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長めの通し口でも安定した動き
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生地の厚みに左右されにくい
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作業時間が短縮できる
デメリット
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家に常備していない人も多い
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構造を軽く理解する必要がある(初回だけ少し慣れが必要)
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製品によっては柔らかい生地に引っかかる場合がある
専用器具は、頻繁に紐を通し替える人には頼もしい道具ですが、たまに使うだけであれば日用品で十分代用できます。そのため、あくまで「あると便利」くらいの位置づけで考えておくとよいでしょう。
紐が通しにくい原因と“トラブル別”の対処法
紐通しはシンプルな作業に見えますが、実際にはちょっとした条件でスムーズにいかなくなることがあります。
ここでは、つまずきやすい代表的な原因と、その場でできる対処法をまとめました。
「途中で止まってしまった…」「何度やっても進まない…」という方は、当てはまる項目がないか軽くチェックしながら読み進めてみてください。
紐が柔らかすぎて先端が丸まる場合
平紐や柔らかいコットン紐は、押し進めているうちに先端がくるりと丸まってしまいがちです。丸まった状態ではトンネルの壁に引っかかりやすく、途中で止まりやすくなります。
対処法
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紐の先端を折りたたんで“細い芯”をつくる
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セロハンテープなどで先端を軽く巻き、コシを持たせる
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紐を結んで固い“結び目”を先端にして通す
このどれかを試すだけで、先端の形が安定し、通りが一気に良くなります。
トンネル内部でねじれが起きている場合
トンネル部分(紐通し口)の生地がねじれていると、器具や紐の先が引っかかってしまいます。特に、洗濯後のスポーツパンツなどに多く見られる状態です。
対処法
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トンネル部分を指で軽くつまみ、生地を少し“平らにならす”
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通す方向に向かって手で軽く生地を伸ばし、シワを伸ばす
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一度少し戻して角度を調整し、再度まっすぐ進める
「押す→戻す」を数ミリ単位で繰り返すと、内部のねじれがほどけて前に進みやすくなります。
ゴム入りタイプで動きにくい場合
ウエスト部分にゴムが入っているズボンは、生地全体が縮んだ状態になっているため、道具を入れても前に進みづらくなります。特に子ども用のズボンに多い特徴です。
対処法
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生地を左右に軽く引っ張り、トンネル部分を伸ばしながら作業する
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一方の手で生地を押さえ、もう一方の手で道具を少しずつ進める
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ストローなど“滑りやすい素材”の道具を選ぶ
生地を伸ばしながら作業すると、内部の通り道が広がるため、器具がスムーズに進むようになります。
生地が厚くて途中で止まるときのコツ
スウェットパンツやパーカーのように生地が厚い種類は、道具が布の重みで押し返されることがあります。
その場合は、力任せに押し込むよりも、短いリズムで“押す→引く”を繰り返すほうがうまくいきます。
対処法
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一度に進めようとせず、1〜2cmずつ慎重に前へ
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反対の手で“布地を支える”ことで抵抗を減らす
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安全ピンや専用器具など、硬い素材の道具を使う
特に厚手の生地は、柔らかい紐先より硬い先端のほうが前に進みやすい傾向があります。
◎作業がどうしてもうまくいかないときの再チェック
最後に、次のポイントをチェックしてみてください。
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紐の先端が広がっていないか
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生地がねじれていないか
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道具が途中で引っかかっていないか
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紐と道具の固定がゆるくなっていないか
ほんの少しの調整でスルッと進むことも多いため、焦らずゆっくり動かすことがコツです。
紐が抜けないようにする予防策
ズボンの紐は一度通し直しても、洗濯や着替えのたびに少しずつ動き、気づけばまた抜けてしまうことがあります。
とくに柔らかい紐や細いトンネル構造のズボンは、何度も同じトラブルが起きやすいもの。そこで、日頃の“ちょっとした工夫”だけで、紐抜けをかなり防げる予防策をまとめました。
紐の結び目を大きくしておく
最も簡単で効果があるのが、紐の端に少し大きめの結び目を作っておくことです。
結び目が大きくなると、トンネル部分からスルッと抜け落ちる可能性がぐっと低くなります。
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結び方は固結びでOK
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左右の長さがそろうように結ぶと仕上がりがきれい
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紐先端がほどけやすい素材の場合は二重に結ぶとより安心
特別な道具は何も必要なく、今日からすぐに実践できます。
洗濯ネットに入れると抜けにくい理由
洗濯時に紐が動きやすくなる最大の原因は、“水流で生地全体が激しく揺れること”。
紐が揺れにつられて引っ張られ、片側だけズレたり抜け落ちたりしやすくなります。
洗濯ネットに入れることで…
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生地の動きが抑えられ、紐が引っ張られにくい
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他の衣類との絡まりも防げる
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細い紐でも形が崩れにくい
特に、ウエストのトンネルが細いズボンや、柔らかいコットン紐を使った衣類では効果が出やすい方法です。
紐の先端を少し固めておく(簡易テープ処置)
紐の先がほつれやすいタイプは、先端が広がってトンネル内部に引っかかり、「少しずつ中へ吸い込まれていく」状態に陥りがちです。
対処として有効なのが、先端をテープで軽く巻いておく方法。
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セロハンテープやマスキングテープで2〜3周巻く
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できるだけ細く、平らに仕上げる
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巻いた部分が硬くなるため、抜けにくい“ストッパー”として機能する
見た目が気になる場合は、紐の色に近い布用テープを使うと目立ちにくくなります。
◎ちょっとした意識で長持ちするポイント
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履くときに片側だけ強く引っ張らない
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紐を結ぶときは左右均等になるよう調整する
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洗濯後は紐の位置が極端に片寄っていないか軽くチェックする
これらを心がけるだけでも、トラブルが起きる頻度がかなり減ります。
ズボンの紐に関するよくある質問(FAQ)
ズボンの紐通しは、実際に作業してみると細かい疑問がいろいろ出てきます。
ここでは、特によく寄せられる質問をまとめて、短くてわかりやすい形で回答します。
片側だけ引っ張ると紐がどんどん短くなるのはなぜ?
紐を片側だけ強く引っ張ると、トンネル内部で紐全体が少しずつ移動してしまうためです。
中で引っかかる場所がない場合、左右のバランスが崩れやすくなり、片方だけ極端に短くなってしまいます。
予防法
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結ぶときは左右均等になるよう調整する
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履くときに片側だけ強く引っ張らない
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洗濯後に紐の位置を軽く整える
丸紐と平紐、どちらが抜けにくい?
一般的には、平紐のほうが抜けにくい傾向があります。
平紐はトンネル内で安定しやすく、動きが少ないためです。一方、丸紐はねじれやすく、洗濯時に引っ張られやすい特徴があります。
ただし、ズボンのデザインによってトンネル幅が異なるため、
「トンネル幅に合った太さの紐を使う」のが最も大切です。
紐を買い替えたい場合、どんなものを選べばいい?
買い替えるときのポイントは次の3つです。
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長さ:ウエストの2周分+20~30cmが目安
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太さ:トンネル幅に合うもの(太すぎると詰まりやすい)
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形状:平紐は安定しやすく、丸紐は結びやすい
急ぎで必要な場合は、手持ちのパーカーの紐で代用する人も多いようです。
トンネル部分が破れている場合の応急処置は?
トンネル部分(紐通し口)が破れてしまうと、紐が内部で迷子になりやすくなります。
応急的な方法としては、
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破れた部分を軽く縫い留める(手縫いでOK)
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表面から布テープで補強して穴をふさぐ
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内側の布を寄せて“狭い通り道”を作る
などがあります。
ただし、あくまで一時的な処置なので、目立つ破れの場合は時間のあるときに丁寧に縫い直してあげると安心です。
紐がトンネルの中で一周してしまったときは?
紐を引っ張ったり押したりしているうちに、内部で半回転〜一周してしまうことがあります。
見た目にはわかりにくいのですが、ねじれた状態では途中で詰まりやすくなります。
対処法
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紐を軽くゆすりながら両端を持って整える
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トンネル部分を軽くつまみ、ねじれを手で伸ばす
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一度片側を少し戻して、ゆっくりまっすぐ引き直す
ねじれが直ると、紐の動きが自然になり、扱いやすくなります。
まとめ|焦らず少しずつ進めれば誰でも通せる
ズボンの紐通しは、一見シンプルなようで、実際にやってみると細かいコツが必要な作業です。
それでも、ストロー・ヘアピン・安全ピンなど家にあるものを使えば、特別な準備をしなくても十分に対応できますし、途中で引っかかったときの対処法や、生地の状態を整えるちょっとした工夫を知っておくだけでも、作業がぐっとやりやすくなります。
今回ご紹介した内容のポイントをまとめると…
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ストローやヘアピンなど身近な道具で通せる
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専用器具があれば、さらにスムーズに作業できる
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途中で止まる原因は「ねじれ」「生地の厚み」「紐の形」によるものが多い
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洗濯ネットや結び目の工夫で、紐抜けはかなり防げる
どの方法を試すにしても、焦らずゆっくり進めることが成功の近道です。
紐の先端を整えながら少しずつ押し進めれば、時間がかかっても必ず出口にたどり着けます。
今まさに紐が通らなくて困っている…という方でも、今回の手順を参考にすれば、落ち着いて作業できるようになると思います。
一度やり方がわかれば、パーカーやパジャマなど、ほかの衣類でも同じように応用できます。
無理なくできる方法から、ぜひ試してみてくださいね。

