「七」が三つ並んだような旧字体の 「㐂」。
人名や店舗名、さらにはお祝い事の表記などで目にすることがありますが、いざスマホやパソコンで入力しようとすると「どうやって出すの?」と戸惑う方が多い文字です。
通常の変換では出てこないことも多いため、入力できずに困った経験を持つ人も少なくありません。
この記事では、iPhone・Android・Windows・Mac それぞれの環境で「㐂」を入力する方法を丁寧に解説します。さらに、すぐに使える コピー&ペースト用の「㐂」 も掲載しています。
印刷物や公式文書、名刺作成などで正しい文字を使いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
㐂(七が三つの喜)とは?
「㐂(き)」は、現在よく使われている「喜」の旧字体のひとつで、「七」が三つ重なったように見えることから「七三つの喜」とも呼ばれます。
本来の意味は「喜び」と同じで、古くから人名や屋号、縁起物の表記などに用いられてきました。特に、お祝い事や長寿祝い(喜寿など) では、華やかさを演出する文字として目にする機会が多いです。
よく使われる場面
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人名や屋号:「㐂一」「㐂助」など、店舗名や芸名として採用される例がある
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冠婚葬祭・慶事:熨斗袋や招待状などで、縁起を担ぐ意味合いで使われる
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文化的な用法:古典文学や伝統芸能の演目に登場する場合もある
文字コードについて
「㐂」はUnicodeに登録されており、コードポイントは U+3512 です。
フォントや端末環境によっては正しく表示されないこともあるため、特に印刷物や公式文書で使用する際には事前に確認しておくことが大切です。
スマホでの入力方法
スマートフォンで「㐂」を入力しようとすると、通常の日本語変換では出てこないことが多く、入力に手間取る方が少なくありません。ここでは iPhone と Android に分けて、実際に使える入力方法をご紹介します。
iPhone(iOS)での入力
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手書き入力を使う方法
- 設定アプリから「一般」→「キーボード」→「新しいキーボードを追加」で「中国語(繁体字)–手書き」を有効化します。
- キーボード切り替えで手書き入力に切り替え、「㐂」の形をなぞると候補に表示されます。 -
ユーザー辞書に登録する方法
- Safariなどで「㐂」をコピーしておきます。
- 「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザー辞書」で「単語」に㐂を貼り付け、「よみ」に「き」など任意の読みを登録します。
- 以後、入力時に「き」と打てば変換候補に「㐂」が出るようになります。
👉 手書きで一度入力 → コピーして辞書登録、という流れが最もスムーズです。
Androidでの入力
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Gboard(Google日本語入力)での手書き入力
- 設定から「言語と入力」→「キーボード」→「Gboard」→「言語」→「日本語」→「手書き」を有効にします。
- 手書き画面で「㐂」の形をなぞると候補に表示されます。 -
コピー&ペーストで入力する方法
- Webページなどから「㐂」をコピーして、必要な場所に貼り付ける。
- こちらもユーザー辞書機能を使って登録しておくと、毎回コピーせずに呼び出せます。
👉 AndroidもiPhone同様に「手書き入力+ユーザー辞書登録」で安定して利用できます。
パソコンでの入力方法
パソコンで「㐂」を入力する場合も、通常の変換では表示されないことが多いため、いくつかの方法を覚えておくと便利です。ここでは Windows と Mac に分けて解説します。
Windowsでの入力方法
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IMEパッドを利用する
- 文字入力中にタスクバーの「A」や「あ」のアイコンを右クリックし、「IMEパッド」を選択します。
- 「文字一覧」から部首や画数を指定して探すか、手書き入力で「㐂」をなぞると候補に表示されます。 -
Unicode入力を使う
- 「㐂」はUnicodeで U+3512 に割り当てられています。
- Wordなどで「3512」と入力し、キーボードの Altキー+X を押すと「㐂」が表示されます。
👉 Windowsでは「IMEパッド」か「Unicode入力」を覚えておけば安心です。
Macでの入力方法
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文字ビューアを利用する
- メニューバー右上の「入力メニュー」から「絵文字と記号」を開きます。
- 検索バーに「㐂」と入力するか、Unicodeコードポイント(3512)で検索すると表示されます。 -
コピペを活用する
- 一度Webなどからコピーした「㐂」をテキストエディタや辞書登録に保存しておくと、再入力の手間が省けます。
👉 Macは「文字ビューア」で探す方法が確実です。
コピー&ペースト用の㐂
「入力方法を試しても出せなかった…」という方のために、すぐに使える コピー用の文字 を用意しました。
👉 㐂 ← ここをコピーして、必要な場所に貼り付けてください。
注意点
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環境によっては文字化けする場合があります。特に古い端末や一部のフォントでは「□」のように表示されることもあります。
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印刷物や公式文書で使用する場合は、事前に表示確認を行うのがおすすめです。
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ユーザー辞書に登録しておくと、毎回コピーしなくてもすぐに呼び出せます。
入力が必要になる場面と注意点
「㐂」という文字は日常的にはあまり使われませんが、特定のシーンでは正しく入力する必要が出てきます。ここでは代表的な利用場面と、使うときに注意しておきたいポイントをまとめました。
名刺や印刷物での利用
店舗名や屋号、人名に「㐂」が使われている場合、名刺・チラシ・看板などで正確に再現することが求められます。フォントによって表示が異なる場合があるため、デザインを入稿する前に必ず確認しておきましょう。
戸籍や住民票、人名での使用
戸籍や住民票には旧字体が使われているケースがあります。役所のシステムでは正しい文字コードで管理されているため、入力できない場合はコピー&ペーストや外字登録で対応が必要です。
フォントによる表示の違い
「㐂」はUnicodeに登録されていますが、利用しているフォントによっては表示されない、または崩れて見えることがあります。特に古い端末や一部のアプリでは文字化けする可能性があるため、使用前に相手の環境で確認するのが安心です。
👉 このように「㐂」は特殊な文字だからこそ、用途に応じた正しい入力と表示確認が欠かせません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「㐂」は普通の変換では出てこないのですか?
A. 多くのIME(日本語入力システム)では標準変換では表示されません。手書き入力や文字コード指定(U+3512)、コピー&ペーストを利用するのが確実です。
Q2. 「㐂」と「喜」の違いは何ですか?
A. 意味は同じですが、「㐂」は旧字体です。見た目の特徴から「七三つの喜」と呼ばれ、縁起の良い文字として人名や屋号に使われます。
Q3. iPhoneで一度出した「㐂」をすぐに再利用するには?
A. コピーして「ユーザー辞書」に登録するのがおすすめです。読みを「き」に設定すれば、以後「き」と入力するだけで変換候補に表示されます。
Q4. WindowsでUnicode入力する方法は?
A. Wordなどの入力欄で「3512」と入力し、Alt+X を押すと「㐂」が表示されます。Unicodeのコードポイントを覚えておくと便利です。
Q5. 印刷物に「㐂」を使うときの注意点は?
A. フォントや端末環境によっては文字化けすることがあります。印刷会社や相手方に渡す前に、表示が崩れていないか確認することをおすすめします。
まとめ|「㐂」は端末別の入力方法を覚えておくと安心
「㐂(七が三つの喜)」は、通常の変換では出せないことが多い特殊な文字ですが、入力方法を知っておけば確実に使うことができます。
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スマホでは「手書き入力」や「ユーザー辞書登録」で対応可能
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パソコンでは「IMEパッド」や「Unicode入力(U+3512)」、Macなら「文字ビューア」が便利
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コピー&ペーストを活用すれば、すぐに利用できる
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使用場面としては、名刺・戸籍・店舗名・慶事などで正確さが求められる
一度環境に登録してしまえば、次からはスムーズに入力できます。この記事を参考に、ご自身の端末で試してみてください。