テイクアウトの弁当が発泡スチロールの容器に入っていることはよくあります。
しかし、家に帰ってすぐにこれを電子レンジで加熱しようとするのは避けるべきです。なぜなら、発泡スチロールは熱に弱く、加熱すると容器が変形するリスクがあります。
多くのファーストフード店でも発泡スチロールが使用されていますが、安全に食品を温めるためには、耐熱性のある皿に移してから温めることを推奨します。
この記事では、発泡スチロールの容器で食品を電子レンジで加熱する際のリスクと、安全な加熱方法について説明します。
発泡スチロールの成分と特性
発泡スチロールはプラスチックの一種で、主に石油から製造されます。この材料は、空気を多く含むことで軽量化されていますが、その結果、石油由来成分は全体のわずか2%に過ぎません。これが環境への影響も少ないとされる理由です。
電子レンジでの発泡スチロール使用は避けるべき理由
多くの人が、冷えたテイクアウトの牛丼やお弁当を電子レンジで素早く温めたいと考えます。発泡スチロールの容器は耐冷性には優れていますが、熱に対しては非常に弱いです。
空の発泡スチロール容器をレンジで加熱しても溶けることは少ないかもしれませんが、食品を含むと状況は異なります。食品が80度から90度に温まると、接触している容器部分が溶け出すリスクがあります。
その結果、容器が変形したり穴が開いたりすることがあり、最悪の場合は完全に溶けてしまうこともあります。ですので、食品が入った発泡スチロールの容器は電子レンジで加熱することは避けるべきです。
発泡スチロールの限界: 耐熱性について
発泡スチロール、または発泡ポリスチレンとも呼ばれるこの素材は、耐熱性が70～90度程度と非常に低いです。
日本の産業規格（JIS）では、電子レンジに使用可能な耐熱容器は最低でも140度を耐えることが必要とされています。この温度に満たない容器は、マイクロ波によって容易に溶けたり形が崩れる恐れがあるためです。
発泡スチロールを間違って電子レンジで加熱した場合、その安全性について懸念が生じます。ただし、日本スチレン工業会はポリスチレンが化学的に安定しており人体に無害であると述べています。同様に、アメリカ食品医薬品局（FDA）も発泡スチロールが食品と接触しても安全であると認めています。
しかし、実際には誤って発泡スチロールのトレーを電子レンジで使ってしまうことがあります。例えば、最近私がハンバーグ用のひき肉を解凍しようとした際、疲れていたために耐熱容器に移し替えるのを忘れ、トレーごと加熱してしまいました。その結果、トレーに穴が開いてしまったのです。
公式な指導にもかかわらず、解凍はトレーのままで良いとする情報もあるため、誤解を招きやすいですが、既定の温度を超えるとトレーは溶ける可能性が高いです。
疲れていても、発泡スチロールで包まれた食品を電子レンジで加熱する際は、必ず耐熱容器に移し替えることが重要です。
テイクアウト弁当の安全な加熱方法
多くのファーストフード店で使われる発泡スチロールの容器に入ったテイクアウト弁当を家で温めたい時がありますが、直接電子レンジで加熱するのは避けましょう。
適切な容器への移し替え
電子レンジで加熱する際は、発泡スチロールの代わりに以下のいずれかの耐熱容器を使用してください：
陶磁器製の皿やプレート（耐熱温度140℃以上）
耐熱プラスチック製の容器（耐熱温度140℃以上）
耐熱ガラス製の皿（耐熱温度140℃以上）
耐熱シリコン製の容器（耐熱温度140℃以上）
容器の耐熱温度を確認し、適切なものを選ぶことが重要です。
ラップの正しい使用方法
耐熱容器に移し替えた後、食品を耐熱ラップで軽く覆いましょう。ラップはしっかりと張りつけず、蒸気が逃げる余地を残すことがポイントです。これにより、食品内の水分が適切に蒸発し、ラップが破れるのを防ぎます。
電子レンジで発泡スチロールが溶けた際の対処法
万が一、発泡スチロールを電子レンジで加熱してしまい、レンジ内に溶け残りがある場合の対処法は以下の通りです：
70℃のお湯を布やクリーニングスティックに浸し、レンジ内の発泡スチロールを湿らせてから拭き取ります。
1カップの水に大さじ1の重曹を溶かし、沸騰させた後に冷ましてから使用します。この重曹水でレンジ内を拭き、残りを取り除きます。
まとめ
テイクアウトの弁当が発泡スチロールの容器に入っている場合、直接電子レンジで加熱しないことを推奨しています。発泡スチロールは耐熱温度が低く、食品が含まれると加熱時に溶けたり変形するリスクがあるためです。
代わりに、140℃以上の耐熱性を持つ陶磁器、プラスチック、ガラス、またはシリコンの容器に移し替えて加熱することが推奨されます。さらに、耐熱ラップを使用して食品を軽く覆うことで、食品の水分が適切に蒸発し、ラップが破れるのを防ぐことができます。
もし誤って発泡スチロールをレンジで加熱してしまった場合の掃除方法も紹介しています。万が一の場合はお湯や重曹水を使って掃除しましょう。
